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菊池武夫中将の論文「文明の母亜細亜の更生」

                 菊池武夫


『大亜細亜主義 創刊号』大亜細亜協会編(大亜細亜協会発行) 昭和85月発行 p61掲載

「文明の母亜細亜の更生」

菊池武夫陸軍中将

大亜細亜協会の目的は、主意書によって、略略明らかであると思ふが、本会のこの目的が達成されるためには、日満両国の皇道と王道が実現され、両国の提携と結束が益々緊密となり、極東の天地に友愛の光が彌漫することが先決問題である。

 現在亜細亜諸民族は白人帝国主義の圧迫と、搾取の下に呻吟して居るのであるが、然も此の現実の苦悩と沈淪にもかかはらず、我が亜細亜には欧羅巴のそれとは全然性質を異にする文化がある。一九二一年二月のソウエート共産党テーゼを見れば、彼等が亜細亜文明の根底が如何に幽玄深邃なものであるか、その点を或る程度まで理解しているものの如くに察せられる。彼等はボローディンの失敗によって、何が故に彼等の把持する共産主義が東洋に受容れられないのか、其據って来るところを具に研究したその結果、東洋には生存権の観念も、またその実在もない、然るに生存は確実に保障されていることを知った。而してその由来するところは何か、その点について研究を重ねた結果、東洋の家族主義を深く理解した。

即ちそれは生物学的にも哲学的にも確実な根底を持つ母性愛、その他東洋民族特有の性情に起因するものであり、彼等の思想の根底をなす争闘原理が東洋に適用さるべきものでないことを、明かに認識したのであった。ブハーリンでさへも、生命とは何ぞや——この問題について、結局仏教の因果説に帰着すべきことを知った。右に述べたことは、欧羅巴人が如何に亜細亜文化、亜細亜思想に理解と従って憧憬とを持ち始めて居るか、それを物語る一例に過ぎないのであるが、人類精神文明の根底は亜細亜にあることを否定することは出来まい。神人一如物心一如と云ふ所に亜細亜精神文化の根本原理があるのである。

 日露戦後亜細亜民族は自己に醒めた。その結果は、亜細亜文化は漸く復興統一気運に向かった。勿論亜細亜文化の再建は我が国民の嚮導を俟たず行はれ得るものではないのであるが、我が国が独立満洲に統制と秩序を与へ、東洋文化の復興統一に第一歩を投じたとき、国際連盟の圧迫によって、連盟から脱退しなければならぬ——否、寧ろ事実上除外されたこととなった。事茲に到った以上、我が国民は自力によって局面を打開しなければならぬ、而してこの局面は亜細亜諸民族の親善融和を増進することによってのみ打開され得るのである。その結果として、東洋文化の復興と統一は自ら達成されるのである。若も亜細亜諸国の復興成り、経済的にも有無相通じ、搾取なき経済が行はれるとき、始めて世界平和が確立されるのである。

 世界平和を目指しての亜細亜民族の復興、それが大亜細亜協会終局の目的であることをここに明かに申し上ぐる次第である。

『大亜細亜主義 創刊号』大亜細亜協会編(大亜細亜協会発行) 昭和85月発行 p61掲載

論文趣旨
大亜細亜協会の目的
世界平和を目指してのアジア諸民族の復興である。

国際連盟脱退は文明の衝突による自然な流れ
アジアとヨーロッパの文明は全く異なる
日本がアジア復興、団結の為に独立満洲を建国し、統制と秩序を与えたために国際連盟から排除されたのである。

人類精神の根底はアジアにある
●ヨーロッパ人はアジア文化、アジア思想に理解と憧れ持ち始めて居る
ソ連はその失敗から、アジアが生物学的にも哲学的にも確実な根底を持つ母性愛、その他の性情による家族主義がアジアの強さであることを学んだ。
例えば、ブハーリンでさえ、生命とは何ぞや——この問題について、結局仏教の因果説に帰着すべきことを知った

結論
日満両国で「皇道」と「王道」が実現され、友愛の光が充満されなければならない。
人類精神文明の根底はアジアにあり、神人一如物心一如に根本原理がある


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Author:bokudoart
 幼少より絵を描く事、中国や北方・中央アジアの歴史が大好きであった。大学を卒業し会社勤めのあと中国の美大で水墨人物画を専攻し美術史専攻の大学院にも進み中国の古文献読破に数年間没頭した。以来、約二十年画家・美術団体代表として活動中。中国での生活で、今後の世界における日本の果たすべき歴史的役割を明確に知った。
 1万年以上途切れることなく続いた縄文文化に根差した日本という国の文化の素晴らしさを日本人は自覚し世界にそれを広めなければならない。青学大卒、南京芸大院修